リハヤートのメモリーノート

リハビリテーション医が、忘備録として思いついたことをつづります

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

NMOSD エクリズマブ(補体をターゲットにした治療)

NMOSDは、抗アクアポリン4抗体(抗AQP抗体)が原因とされるものが有名です。 抗AQP抗体は、血管内皮細胞の形質細胞から作られます。 抗AQP抗体陽性の92%が再発するといわれ、妊娠、出産が再発リスクを上げるとされています。また5年以内に10%の方が失明す…

IVES

脳血管障害に対してリハビリテーションを行いますが、その治療法の一つとして電気刺激療法があります。 治療的電気刺激はTES: Therapeutic Electrical Stimulationと言われます。従来低周波治療器を用いたりしていましたが、自分の意思とは関係なく刺激によ…

進行期パーキンソン病の合併症

L-DOPAはドパミンの前駆物質で、治療薬として使用されますが、中枢に行く前にL-アミノ酸デカルボキシラーゼによりドパミンに変換されます(約70%)。それを防ぐため、カルビドパ、ベンゼラチドを併用します。また、L-DOPAは、一部COMTにより3-OMDに変換され…

パーキンソン病の薬 まとめ

最近パーキンソン病の新薬が出てきています。 新薬といっても作用機序は同じ薬が重なってきており、それぞれの売り文句を認識しないと混乱しそうになります。現時点で整理する意味で簡単にまとめてみます。 DA agonist L-DOPA投与の次のチョイスあるいは若年…

パーキンソン病 進行期でみられる薬物関連症状

パーキンソン病の進行期で出現するものを整理します。 (A) まず紛らわしいものとして Wearing-off L-DOPAの効果が切れることにより運動症状が変動 on-off 服用時間に関係なく急激な症状の軽快と増悪が繰り返される no-on/delayed-on L-DOPA効果が見られない/…

パーキンソン病 診断基準と治療 ガイドライン

パーキンソン病の診断基準は、国際パーキンソン病・運動障害疾患学会(MDS)の診断基準に準拠されています。 具体的には、パーキンソニズムが存在し、(1)絶対的除外基準に抵触しない、(2)少なくとも2つの支持的基準に合致する、(3)相対的除外基準に抵…

神経伝達物質

今回は、神経伝達物質について整理します。 神経伝達物質の中でモノアミン系神経伝達物質があり、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンがあります。モノアミン伝達物質は更にカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン)とイ…

脳卒中と食事

脳卒中には脳梗塞、脳出血、くも膜下出血とありますが、その中でも脳梗塞、脳出血はいわゆる生活習慣病で起こります。 生活習慣病は、高血圧、高脂血症、糖尿病が三大疾病です。 脳出血は生活習慣病が原因となる場合は、大部分が高血圧が原因とされ、その他…

CIDP

日本神経学会総会より 脱髄疾患の病気としてCIDP (chronic inflamatory demyelinating polyneuropathy)という病気があります。Guillain-Barre症候群といって末梢神経が急速に障害されて起こる疾患がありますが、ざっくりいえば慢性的に進行する病気です。 最…

筋力をあげるには

リハビリと言えば必ず出てくるのが、筋力増強させるには何をしたらよいかということです。 そこで運動の種類で等尺性収縮、等張性収縮というのがあります。等尺性収縮というのは字の通り、筋肉の収縮は変えないでその状態を保つというもの。具体的にはバーベ…