リハヤートのメモリーノート

リハビリテーション医が、忘備録として思いついたことをつづります

NMOSD エクリズマブ(補体をターゲットにした治療)

NMOSDは、抗アクアポリン4抗体(抗AQP抗体)が原因とされるものが有名です。

抗AQP抗体は、血管内皮細胞の形質細胞から作られます。

抗AQP抗体陽性の92%が再発するといわれ、妊娠、出産が再発リスクを上げるとされています。また5年以内に10%の方が失明するリスクがあるようです。

AQP抗体は以下のような補体活性化に関与しているとされています。

 

AQP4

 ↓

補体活性化(古典経路)

 ↓

C5をC5a, C5bに開裂

  C5a 中枢神経の炎症を誘導       C5a 好中球、好酸球を活性化

  C5b 膜侵襲複合体、MACを形成

     ↓                                                          ↓

アストロサイト破壊            2次的に脱髄神経細胞

 

リリスという薬剤は、C5に結合し、C5a, C5bに開裂するのを阻害し、再発抑制できるようです。

終末補体であるC5を阻害することにより、髄膜炎菌の感染症に注意する必要があります。