リハヤートのメモリーノート

リハビリテーション医が、忘備録として思いついたことをつづります

パーキンソン病 進行期でみられる薬物関連症状

パーキンソン病の進行期で出現するものを整理します。

 

(A) まず紛らわしいものとして

Wearing-off    L-DOPAの効果が切れることにより運動症状が変動

on-off             服用時間に関係なく急激な症状の軽快と増悪が繰り返される

no-on/delayed-on    L-DOPA効果が見られない/ 効果発現に時間を要する

 

no-on/delayed-onについては、消化管からの吸収障害が主原因とされ対策として、L-DOPAの食前、空腹時の服用や、L-DOPAをレモン水に溶かすなど勧められます。

off症状のレスキューとして非麦角系ドパミンアゴニスト(アポモルヒネ皮下注)投与という方法もあります。

 

(B)ジスキネジアもみられます。

これには2種類あり

①L-DOPAの血中濃度が高い時間帯に出現するpeak-dose dyskinesia

②2相性のbiphasic dyskinesia

があります。

①の場合はまず(1) MAO-B阻害薬、COMT阻害薬を中止 (2) L-DOPA頻回投与 (3)L-DOPAを減らす代わりにアゴニスト増量(4)アマンタジン追加の順に考慮します。

②の場合は治療困難です。

 

(C)幻覚、妄想も多いです

対策としては、⑴抗コリン薬、MAO-B阻害薬中止⑵ドパミンアゴニスト、COMT阻害薬中止の順に行います。

クエチアピン、ドネペジルを追加することもあります。