リハヤートのメモリーノート

リハビリテーション医が、忘備録として思いついたことをつづります

脳梗塞の抗血小板療法について

 脳梗塞予防薬として、ラクナ梗塞など小さな梗塞の場合は、抗血小板剤を1剤あるいは2剤で投与を開始します。アテローム血栓脳梗塞やBADなどの場合は、抗血小板剤2剤で開始することが多いようです。

 これらを裏付けるものとして、CHANCE trial (Clopidogrel in High-risk patients with Acute Nondisabling Cerebrovascular Enents) NEJM 2013 というstudyがあります。発症から24時間以内に治療可能なTIAあるいは軽症脳卒中患者に対して、90日間の再発予防についてクロピドグレル+初期21日間のアスピリン併用が、アスピリン単独と比較して優位に優れており、出血リスクも上昇しなかったという結果が出ています。

 TIAあるいは軽症脳卒中発症の3か月以内の脳卒中再発率は10-20%程度といわれており、大部分は2日以内に発症するといわれています。

 一方ハイリスクの脳卒中患者で両者の併用療法は累積的に出血のリスクを増加するといわれており、3か月以内にとどめることが推奨されています。