リハヤートのメモリーノート

リハビリテーション医が、忘備録として思いついたことをつづります

神経伝達物質

 今回は、神経伝達物質について整理します。

 

神経伝達物質の中でモノアミン系神経伝達物質があり、アドレナリン、ノルアドレナリンドパミンセロトニンがあります。モノアミン伝達物質は更にカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリンドパミン)とインドールアミン(セロトニン)に分かれます。脳内のカテコラミンの割合はドパミン(50%)>ノルアドレナリン(40~45%)>アドレナリン(5~10%)となります。

 簡単に言えば、快感の時に出るのがドパミン、ストレスの時に出るのがノルアドレナリン、気持ちを安定させるのがセロトニンです。

 

ドパミン(D1/D2)受容体を刺激すると幻覚、妄想が出やすく、D2受容体遮断は制吐作用があり吐き気止めに使われますが、逆にパーキンソニズムを引き起こします。

ドパミンは、MAO(モノアミンオキシダーゼ)さらにAO(アルデヒドオキシダーゼ)に、あるいはCOMT(カテコール―O-メチルトランスフェラーゼ)により3-Methoxytyramineに分解され、MAO(モノアミンオキシダーゼ)さらにAO(アルデヒドオキシダーゼ)によりHVA (Homovanilic acid)に分解されます。

つまり

①Dopamine    →    3-Methoxytyramine     →      HVA

                     COMT                                     MAO, AO

②Dopamine            →             HVA

                           MAO, AO

の2つの経路で末梢で分解されます。

 

パーキンソン病では最も治療として使用されるL-DOPAはドパミンの前駆物質で、中枢に行く前にL-アミノ酸デカルボキシラーゼによりドパミンに変換されます。それを防ぐため、カルビドパ、ベンゼラチドを併用します。

ドパミンはそのあと、MAO, COMTなどの酵素で分解されてしまうため、それを防ぐためにCOMT,MAOを阻害する薬剤が使用されます。

 

一方セロトニンセロトニン受容体(5-HT1~7)まであります。中枢性に作用するものとして、5-HT1A受容体刺激にてセロトニン症候群(振戦、筋剛直、異常姿勢、異常運動)を、5-HT1A, 5-HT2A, 2C受容体刺激で幻覚、異常行動を、5-HT3受容体刺激で嘔吐を起こします。またセロトニン減少により、不眠、摂食亢進をきたします。

 パーキンソン病の進行期にはL-DOPAはセロトニン終末に取り込まれ、ドパミンに合成されるという報告があります。