リハヤートのメモリーノート

リハビリテーション医が、忘備録として思いついたことをつづります

筋力をあげるには

リハビリと言えば必ず出てくるのが、筋力増強させるには何をしたらよいかということです。

そこで運動の種類で等尺性収縮、等張性収縮というのがあります。等尺性収縮というのは字の通り、筋肉の収縮は変えないでその状態を保つというもの。具体的にはバーベルをもって肘を伸ばしたままそのままキープ。腕がプルプルとしてきますが、それが等尺性収縮の状態です。

次に等張性収縮はバーベルをもって力こぶを作るように肘を曲げる。その時に上腕二頭筋が収縮します。筋肉は骨に起始、停止という名前で付着していますが、これが近づきます。これが求心性収縮といいます。反対にバーベルを持ったまま肘を伸ばすと上腕二頭筋は弛緩します。起始停止が遠くなるので、これを遠心性収縮といいます。

つまり等張性収縮、等尺性収縮(求心性、遠心性)と分類できます。

負荷量の順番は遠心性>等尺性>求心性となります。力こぶを作っている時が一番力を入れている気がしますが、実は反対なんですね。

心臓リハビリの領域でエキセントリック運動、コンセントリック運動と呼ぶこともあるようです。コンセントリックは筋肉が短くなっていく運動、エキセントリック運動は筋肉が伸長していく運動です。つまりコンセントリックは短縮性収縮と訳され、すなわち求心性収縮です。エキセントリック収縮は伸張性収縮と訳され、すなわち遠心性収縮です。等尺性収縮は、血圧の上昇、心臓に負担をかけやすいのが欠点と言われ勧められていません。

エキセントリック運動は、筋活動量が少なく、酸素消費量もコンセントリック運動と比べて低いため、呼吸器や循環器への負担が少なく勧められています。

日常では座るときにゆっくり座る、階段を下りるといった動き、トレーニングではダンベルをゆっくりおろすなど心がけるとよいです。