咳について
咳嗽(がいそう)とは咳のことですが、内科学会で特集されていました。
(1) 急性咳嗽
一般的に咳と言えば急性感染で多いですが、急性咳嗽は発症後1週以内のことを指し、感染原因としてはライノウイルスが最も多いです。
感染咳嗽の場合、細菌感染は一か所の局所感染が強く、ウイルス感染は鼻、咽頭、喉頭と3か所に及ぶときに疑うとされます。
細菌感染=局所
つまり、咽頭通、鼻水、咳と3か所の症状がそろえばウイルス性を示唆するというわけです。
この場合抗生剤は不要となります。
一方、マイコプラズマ、肺炎クラミジア、百日咳菌感染を疑う場合クラリスロマイシンを使用します。
(2) 慢性咳嗽
一方、8週続く場合慢性咳嗽と呼びます。
この3大原因として、咳喘息、GERD、副鼻腔気管支炎症候群があります。
咳喘息
吸入ステロイドが第1選択薬
GERD
逆流性食道炎(びらん)が確認されなくても原因となりえます。
reflex theoryが主な機序のため、日中のみ生じることが多い
副鼻腔気管支症候群
エリスロマイシンが第1選択薬
クラリスロマイシンは非結核性抗酸菌症のキードラッグであるクラリスロマイシンの耐性化を考慮し、使用しない
(3)誤嚥性肺炎
また、高齢の方の場合、誤嚥性肺炎が問題になります。
この時嚥下販社、咳反射の2つの防御作用があります。
この場合以下のような順で進みます。
嚥下反射障害→咳反射障害→肺炎→死亡
嚥下反射障害、咳反射までにタイムラグがあることがポイントです。
つまり、咳反射が見られなくなることより、菌を押し出せなくなって初めて肺炎になりやすくなっているということです。
咳反射低下に対する対処法としては
1 ACE阻害薬 ~咳の神経伝達物質のサブスタンスPの分解阻害する
2 口腔ケア
があります。