リハヤートのメモリーノート

リハビリテーション医が、忘備録として思いついたことをつづります

NMOSD サトラリズマブ(IL-6をターゲットにした治療)

NMOSDは、IL-6が病態に重要な働きをすると考えられています。

類似疾患である多発性硬化症や非炎症性疾患と比較してもIl-6は優位に上昇しています。

 

(1)IL-6は以下のような順番でAQP4産生に関わっているとされています。

 

IL6が、CD4陽性T細胞の炎症性Th17細胞への分化を促進

         ↓

B細胞から分化したプラズマブラスト(形質芽細胞:IL-10を産生)の生存を延長

         ↓

プラズマサイトがAQP4抗体を産生

 

(2)さらに、IL-6は血液脳関門の透過性を亢進

         ↓

抗AQP抗体や炎症性細胞を中枢神経内に侵入

         ↓

アストロサイトが更にIL-6を産生

         ↓

オリゴデンドロサイト、軸索を損傷

         ↓

        脱髄

 

このようにIL-6により一連の脱髄症状を引き起こすと考えられています。

ここでサトラリズマブ Satralizumab(Ph依存的結合性ヒト化抗IL-6receptor モノクローナル抗体が、開発されました。

これが、IL-6レセプターに結合し、IL-6が働くことを抑制することで、炎症を抑えます。