リハヤートのメモリーノート

リハビリテーション医が、忘備録として思いついたことをつづります

NMOSDとは

NMOSDは自己免疫疾患の一つで、抗AQP(アクアポリン)抗体陽性の患者さんが多いです。

 

疫学

日本で4300人程度

男女比は1:9

30代後半から40代前半に発症

 

機序

中枢神経系は神経細胞グリア細胞で構成されています。

グリア細胞は次の3つからなります。

①アストロサイト:神経に栄養を運ぶ、神経のバリア、神経の指令をスムーズにする

②オリゴデンドロサイト:神経の指令を伝える速度調節

ミクログリア:異物や老廃物を排除

 

NMOSDはアストロサイトが障害されます。

アストロサイトはタコ足のように神経細胞から伸びる軸索や血管と結合しています。

このタコ足にAQPという蛋白がたくさんあります。

炎症により傷ついたアストロサイトにより免疫異常が起こり、抗AQP抗体(自己抗体)が出現し、AQPを攻撃します。

 

症状

以下のようなものがあります。

 

視神経の炎症

視力低下、視野欠損

 

脊髄の炎症

運動障害、感覚障害(両下肢が多い)

有痛性強直性けいれん(体を動かすと痛みがはしり、手足や腹筋がつっぱる)

排尿障害、排泄障害

 

脳の炎症

大脳:麻痺、感覚障害、意識ぼんやり

視床下部:自律神経など

延髄:とまらないしゃっくり、悪心、嘔吐

 

その他

疲労、倦怠感

ウートフ現象:体温が上昇して神経症状悪化