痙縮とは
痙縮という言葉は、拘縮とよく混同されやすいです。具体的には以下のように定義されます。
痙縮 = 伸張反射活動の亢進
拘縮 = 関節包外の軟部組織が原因で起こる関節可動域制限
たいてい脳卒中などの場合弛緩 ⇒ 痙縮 ⇒ 痙縮拘縮となります。
要は拘縮は二次的に起きる変化ということですが、臨床ではよく混在した状態で認められます。
<α-γ連関>
痙縮の機序として、α-γ連関という概念があります。
α-γ連関:脊髄運動ニューロンと相動性γ運動繊維の興奮が同期する
α運動繊維:錘外筋繊維を支配
γ運動繊維:錘内筋繊維(筋紡錘)を支配
ややこしいですが、筋肉の収縮に対してある程度緊張を保たせる働きがあります。
錐体路繊維が変性消失すると、筋紡錘からのγニューロンが側芽を出す。これにより異常な筋緊張が生じる可能性があります。
痙縮については、完全に説明できませんが、これらの機序が壊されていることが原因の一つとなっているようです。
脳卒中における痙縮の発生率は40%前後の報告が多いようです。
<痙縮に対する治療>
装具療法としては、以下のようなものが使用されます。
上肢 スプリントとよばれるもので持続伸張
下肢 下肢装具で足首を持続伸張
Tilt table 足首の持続伸張
緊張性足趾屈曲反射(TTFR; tonic toe flexion reflex)
足趾屈曲、足部の凹足化・内反
足底に加わる何らかの刺激で誘発
対策
Toe spreader 足趾の内転・屈曲を抑える
Inhibitor bar 足趾の屈曲を制限。除痛効果もあり。踏切時に推進力得られる
Metatarsal pad 中足骨パッド
なかなか難しいですね。